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逃避旅行Ⅴ ~お別れの鈴の音~

「オレは、煙火問屋に縁してる“雲龍組”といってな、その一員として、打ち上げる。
スズラン子、オレの花火がわかるかな? 」


祭りの日、北へと続く川辺には、時折、涼しい風が吹いていた。

夜空には、色とりどりの花火が次々と打ち上がって、
幾重にも重なった、夜を忘れさせるような光が、スズラン子を照らした。

「あ~~、綺麗だ~。 た~まや~!か~ぎや~!
嫌なことなんて、忘れさせてくれるね、この鮮やかさは!」

ドンドンドン、バーン、バーン。
鮮やかに咲いては、闇に消えていく花火。


少しの静寂のあと、夜空に、真っ赤な真円の花火が浮きあがった。

「ああ・・・、きっとボンちゃんだ!」

いつか部屋に飾られてあった、立ち葵の色が鮮やかに蘇った。

「美しい、切ないくらいに・・・。
ボンちゃんも、強く誰かを想ってるのかも知れないね・・・。」


スズラン子が一息ついたその時、

ヒュルル~と、いくつかの玉が空に上がっていった。

次々と破裂したかと思うと、夜空一面に、純白の花がいくつも連なった。

そして真っ白な光が尾を引いて、数え切れない釣鐘の花となって浮かんだ。


「こ、こ、これ、、鈴蘭の花だ・・・。」

スズラン子は、しばらくただ茫然とするばかり。

じんわり滲んでくる涙で、夜空がぐしゃぐしゃにゆがんだ。

とても温かいものに包まれた。

「ボンちゃん・・・ありがとう。ありがとう・・・。」

ボンちゃんは、闇の中で、スズラン子の大切な、君影草を照らしてくれたのだった。


リン リン リン リン リン リン リン リン・・・・・・


「何してくれるんだよ!クピポ~!
何だよ!もう会えない気がするよ・・・・・・。

辛いけど、自分の場所へ帰るよ。

それがボンちゃんの花火への、スズラン子ができる精一杯の答えだね・・・。
ありがとう。。。

ボンちゃんの花火、“夜のように輝いて”いたよー!!! 

リン リン リン リン リン・・・・・・・・・


重い瞼をあけると、部屋の隅でギターが壁に寄り掛かっていた。
とても退屈気だ。
そして、夢でみたように弦が切れていた。
弦張らなきゃな、だ。


何もかも相変わらずだけど、
でも、少しだけ信じられるかもしれない
夢からさめた、此処で、夢をみるんだ・・・
                                      
                                
                                 (おわり)    

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【 2013/07/31 23:29 】

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